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2005/09/07

銀河市民

「銀河市民」(1957年。ロバート・A・ハインライン。ハヤカワ文庫)ハインライン強化キャンペーン(僕に)、継続中。

現在流通しているのは、新装版です。図らずも前回「人形つかい」で書いたとおり、表紙が今風になっている時点で、ずいぶん印象が違います。かっこいい~!

この本の巻末解説に書いてあったんですが、ハインラインさんは子供向け、いわゆるジュヴナイルと呼ばれる作品を結構書いているそうです。で、その一覧が載っていたんですが…なんだ、要はこれが好きだったのか! 漫画っぽい印象も、これで納得。冒険物をたくさん書いているからだ。

ただ、子供向け、というと日本では、物凄く子供っぽくなってしまいますが、向こうの物はそうでもないようです。ハインライン氏のジュヴナイルのシリーズも、言われるまで気がつかなかった。

欧米では子供は「半人前の大人」で、だから日本に比べて躾が厳しい、という話を聞いた事がありますが。そういう意識の違いからなのでしょうか。あんまり内容で、手加減する気はないみたい。ハリー・ポッターにもそういうとこあるしな。

でもその方が面白いのでグー。

子供のころの夢やロマンと、大人でも楽しめる重厚なドラマが絶妙なブレンド。まずタイトルからしていいですね、「銀河市民」。

自分で最初に買ったSFはハインライン氏の代表作の一つ「宇宙の戦士」なんですが、評判知ってて買ったのではなく、タイトルとカバー絵に惹かれて。何しろ「宇宙」で「戦士」なのですよ。(カバー絵にはパワードスーツ)

そろそろオレも子供じゃないぜ、と難しそうな大人の本が置いてある所に向かった、小学生の頃のオイラですが、所詮その程度。ちなみにこの年になってもその感覚は残っていて、タイトルに「銀河」がついてる時点でちょっと面白そうだな、と(笑)。これが子供の夢やロマン。

ところがここからが一味違う。日本で「宇宙」だの「戦士」だの「銀河」だのとついていても、あんまり意味なくただかっこいいからという場合が多いのですが、ハインライン氏はちゃんとテーマがあるのです。

前述の「宇宙の戦士」でも一人の新兵が本当の戦士になる顛末を書いていて、一人前の男とは、という著者のメッセージが感じられますし、この「銀河市民」では。

奴隷として登場する幼い主人公が、成長して行って凄い出世を成し遂げるんですが、その過程で、社会と市民の関係について考えさせる構造になっている。社会に対する個人の権利と義務について。

それをまともに説教臭く書いてあるのではなくて、そっと忍ばせておく所が重厚なドラマ。

かつ、テーマだけではなく、キャラクターもしっかりしていて、銀河を渡り歩いての冒険となれば。そりゃ面白いですって。

というわけで。たっぷり堪能。

ジュブナイルのシリーズ、全部読み返してみようかな。本棚のどこかにいくつかあるはず……。

読んだことないけど、「宇宙怪獣ラモックス」というのも、そそるタイトルだなー(笑)。

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