宇宙の呼び声
「宇宙の呼び声」ロバート・A・ハインライン、1952年。創元推理文庫。
他の「普通の」SFも読みますが、ここで紹介するのはSFファンじゃなくても読めそうなもの、という基準。自分もそういうものが描きたいから。
で、御三家の中では特にハインラインが、「漫画っぽい」のでお薦めしやすい。話のトリックで引っ張るより、キャラクターで読ませる物が多いので。有名どころでは「夏への扉」とか、「宇宙の戦士」とか。「宇宙の戦士」は僕が初めて自分で買ったSF小説です。だって「宇宙」で「戦士」だったから(笑)。
この「宇宙の呼び声」はハインラインの作品群の中でも、すごく好きな一品。原題はTHE ROLLING STONES(SPACE FAMILY STONE)。カッコの中の方が作品の雰囲気をよく表してますね。「宇宙のストーン一家」ですよ(笑)。
SFを強調するより、ファミリーアドベンチャーとした方がいいかもしれない。そこが好き。
生意気盛りの双子の兄弟、カスターとポルックスが主人公。英語の読みならカスターだけど、日本語に訳すならカストルの方が分かりやすかったかも。カストル&ポルックス、ふたご座のα星、β星からですね。
それに型破りで元気いっぱい、殺しても死ななそうなおばあちゃん、おませなお姉ちゃん、うるさい弟、優しくてしっかり者のお母さんに、そしてそんな家族に振り回されてばっかりのお父さん……。ね? 懐かしのアメリカンホームドラマの定番配置なのですよ。
そんな定番配置の物語にSFのスパイスをまぶして、一家が宇宙を旅する珍道中。笑いあり、涙ありの物語。絶対TVドラマで見たら、面白いと思うんだ。漫画にしても、きっと面白い。
こんなSFアドベンチャーが描けて、それを好きな人が読んでくれたら、幸せだろうなあ。そんな憧れの作品なのです。
2011/1/10 もう一度読んだ感想。
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