« 希望 | トップページ | vs浦和 行けばよかったー!!! »

2005/07/13

ユート

今週発売のジャンプで、「ユート」が終わってました。

ああいう丁寧な作りの漫画は嫌いじゃないので、心密かに応援していたのですが、駄目だったようです。

「声を大にして」ではなく、「心密かに」だった理由は、実際1話目を見たときに、「これはちょっとまずいな」と感じたからなんですが。どこかで逆転技が使えるかと思ったけど、そういうシーンは来ませんでしたし。だから、まあ仕方ないかな、という感想なんですが。

スポーツ漫画の肝ってのは、やっぱり勝負論だと思うんですよね。勝って欲しいと応援している主人公が、負けそうになるからハラハラするんであって。だから読者に、主人公が負けられないんだ、というのを納得してもらうのが、まず第一歩。

一番簡単なのは、設定で作っちゃうこと。「この大会で優勝すれば、行方知れずの父の情報が」とか、「問題児ばっかりなので、この大会に負けたら廃部」とか。

ただ、必ず理由が必要、というわけではなくて、勝ちたいんだな、という気持ちが伝わればよいのです。「スラムダンク」なんかはそうですね。別に特別な勝たなきゃいけない理由は無くて、単純にスポーツマンなら勝ちたくて当然、という描き方。キャラクター達の負けず嫌いなとこがちゃんと描かれているので、気持ちが伝わる。

この最初の導入の部分が、凄く弱かった。

仕掛けをいろいろ考えている気配はあるんだけど、それ以前に、この子勝ちたいのかな? という状態。なんとなくやってるなら、別にこっちもそんなに一生懸命応援しなくてもいいのかな、と思っちゃう。そんな読者を引っ張りこめてない感じだったので、こりゃちょっと、と思ったのです。

よく主人公が騒がしいタイプになるのは、セリフや行動で、勝ちたい気持ちを自己主張しやすいから。それに対して大人しい、かわいい感じの主人公にした場合、「普段はこうだけど、試合では違うよ」「表には出ないけど、内面は燃えてるんだよ」という演出が欲しかった。

それがないままユルユルと来ちゃったのが、残念でしたね。最後にやりたかった事が箇条書きのような感じで描いてあって、ああやっぱり仕掛けは考えてたんだなーというのがあっただけに。

と言うか、対岸の火事じゃないわけですよ。偉そうに書いてて、いつ自分もやらかすか分かんないし。だから気になってた。

ほんとは、気持ちを丁寧に描く事は必要だ、と思ってるのです。ネタだけ羅列されても、感情移入出来ないから。人によって程度は違うんだろうけど、自分は特にそういうタイプなので。

でもこうして、「丁寧に地道に描いて失敗」というケースが出ると、やっぱりワーッとなってギャーッとなるのが漫画だよ、見たいな大雑把な意見を聞く羽目になるから、それが嫌で。「ワーッとなってギャーッとなって失敗」だって、たくさんあるのにさ。

結局、面白い漫画には「感情移入させること」も「人目を引くこと」も、両方必要なんですよね。どっち寄りからスタートするかはともかく、最低限のツボを押さえることが大切で。

やっぱり頑張って欲しかったなあ。

|

« 希望 | トップページ | vs浦和 行けばよかったー!!! »

漫画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46606/4942079

この記事へのトラックバック一覧です: ユート:

« 希望 | トップページ | vs浦和 行けばよかったー!!! »