普通が一番
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を読みました。ええ、いまさらなんですけれども(笑)。ここで「面白いですよ!」とかプッシュしたら、笑われちゃう。
内容をいまさらああだこうだ言っても、時期遅れ甚だしいので止めとくとして。読んで思った別のことなど。
よく、こういう物を見た時に、身内で言う事なんですが。「だから、普通に書いてくれれば、面白いんだよね」と。
この場合の普通と言うのは、「並」という意味ではなくて。変に凝らない、「普遍的に」という事。漫画、小説、映画、アニメ…とにかく物語を紡ぐ現場では、なんか捻りすぎている様な気がするので。
仕方ないかな、と思う部分もあります。自分もそうだけど、結局作り手は、どうしてもその分野にどっぷりはまってる人がなるわけで。見慣れちゃっているから、ちょっとやそっとの刺激じゃ満足しなくなっている。捻らないで単純な物を作ると、こんなんでいいのか? と、不安になる。
でも、そこまではまっていないふつーの人には、あんまり凝った物だと情報量が多すぎる場合もある。マニア向けに趣向を凝らした物の方が、しょっぱなの食いつきはいいんだけど、量を出そうとしたら、そこから外へ広げていかないといけないわけで、その観点からすると、ちょっと捻りすぎでないかい? と。
で、代わりに「リアリティー」が大切なんじゃないかなあ、と思ってるのです。設定はぶっ飛んでてもいいんですよ。物語なんて太古の昔から嘘話なんだから。ただ、登場する人間が、怒るべき時に怒り、泣くべき時に泣き、笑うべき時にちゃんと笑うこと。人物のリアリティーが大切だと思うのです。
キャラクターに感情移入させることが出来れば、多少の事は目をつぶってもらえると思うんですが。よそに力を注ぎ込んでいて、そこがいまいちな事が多いような。で、「普通に作ればいいのに」という感想に。
そういう点で言ったら、ロンなんかいいキャラですよねー。ハリーが主人公だからやっぱり制約があって、お行儀よくしてなきゃいけない時でも、代わりに爆発してくれるから。嫌な奴が出てきた時に、「嫌な奴だ」という事をはっきり示してくれるから気持ちいい。
ハリー・ポッターはそういう意味で、すごく「人物のリアリティー」があると思うのです。物語の鏡だね。頑張って、見習おう。
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