ハーメルンのバイオリン弾き 33
ハーメル回顧録の33。前回まではカテゴリー、ハーメル回顧録でどうぞ。
赤い羽根の天使。
サイザーの贖罪については何回か触れてますが、難しいテーマです。漫画だから、ある程度事態も単純化して描かないと描ききれないんだけど、あんまり都合よすぎても駄目だし。その辺のさじ加減が。読む人によっても違うしね。
で、サイザーについては、散々苦しんだあげく、オカリナの思いを受け止める形で、生きて頑張ることを選択したわけですが。読者に対してはそれでいいけど、それを知らないこの作中世界の人にとってはどうだろう。
というわけで、このテーマを完全決着させるために、オルゴールと最終対決。今までと同じように見せといて、違うのだ、サイザーは乗り越えたんだ、というところを描く。さらにその姿が人々にも伝わって、「赤い魔女」から「赤い羽根の天使」に昇格。
こうして長く続いたサイザーの贖罪というテーマは、ついに決着を見たのです。
こういうクライマックスを考える時には、キーワードが重要です。一言ぽんと収まれば、全体がすっきりまとまる。頭をひねって「赤い羽根の天使」というのを思いついたときに、それで決まりだ! と。上手く収まったと思うのですが、いかがでしょう?
さて、いい話に振ったところでドーンとギャグを持ってこないと気が済まないのがナベ先生で(笑)。早速天使がらみでオリン爺さん登場。ヒントは作中にちゃんとあるんだけど、断定されていなかった、オリン爺さん実は天使という衝撃の事実を発表。
これのために前巻に外伝が収録してあるのです(笑)。これギャグ王に載ったんですね。
ギャグ王と言えば僕らの間では、溝渕さんが連載とって、みんなで喜んで祝福して送り出したのもつかの間、すぐに廃刊。当然溝渕さんの連載もパーで、ギャグ王とは名ばかりで笑えない事態となった、因縁の雑誌です。
4コマとかショートギャグが結構子供に受けるから、別枠でやろうと始めて、辛抱しきれずにストーリー漫画を入れてリニューアル、そこでぽしゃったんですよね。漫画は難しいですね。
サイザーのテーマが終結した次に始まるのが、スフォルツェンド王家の物語、最終決着。この巻の後半から、リュートの強大な力の前に、みんな大ピンチ。術者を倒さねばという事になって、とうとう城に突入することに……。以下次号。
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