ハーメルンのバイオリン弾き 31
ハーメル回顧録の31。前回まではカテゴリー、ハーメル回顧録でどうぞ。
というわけで、前回書いたとおり、物語は終焉に向かって着々と進んでいるのです。まずは今まで断片的にしか描かれていなかった、ハーメルとサイザーの誕生秘話。
僕とナベ先生の間には、ケストラーを描くに当たって、一つの共通認識がありました。たとえベタになってしまってもいいから、絶対的な悪役として描くという事。
僕が子供の頃にはすでにあったと思うのですが、アニメなどで美形の敵役が出てきたあたりから、絶対的な悪役というのが描かれなくなっている傾向があって。敵にものっぴきならない事情があるんだよ、という描き方。
確かに現実世界ではそうなのですが、リアルだからと言って何でもかんでもそうしてしまうと、どうにもならないジレンマに捕まって、物語が不完全燃焼に終わってしまう。
さらに言えばハーメルは、明らかに寓話です。大体、いもしない魔族が出ているのです。この時点でリアルなんて糞食らえ。物語のテーマが浮き彫りになるように描くべきなのです。
ハーメルのテーマの一つとしては「仲間」というものがあって、大切な人を想うこと、その人のために頑張ることが描かれている。だったら敵役は、それを否定する存在でないといけない。かくして、我が子でさえも自分のために利用する、悪の大魔王が誕生。パンドラ母さん酷い目に。
そして、この巻では、ある伏線が張られています。ハーメルのバイオリンに合わせて、フルートが第九の歓喜の歌を歌っている。
これは最終回、どうやってケストラーを倒すか、というところまで決めてあっての伏線。さらにそれでハーメルとフルートがいい雰囲気になったところで、ケストラー登場。これから先の困難を暗示するのです。
このように、30巻代に入ってからは、プロットはかなり計算づくです。最短距離でラストに向かって突き進む。
ですが、ナベ先生の漫画の特徴として、話があっちに行ったりこっちに行ったりしている様に見えるわけで。それは遊びのシーンを描くのに余念が無いから(笑)。いや、漫画には必要なんですけどね、遊びのシーン。ないとつまらなくなっちゃうから。
その遊びが次の巻では大爆発。まさか、あんな人や、こんな人まで……(笑)。
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