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2005/03/18

ハーメルンのバイオリン弾き 18

ハーメル回顧録の18。前回まではカテゴリー、ハーメル回顧録からどうぞ。

この巻で一番の大仕事。「雪みたいだな」というセリフと共に、ライエルとサイザーが見上げる星空の見開き。宇宙を他の人に任せるわけにはいかないと奮闘。

ここに限らず「宇宙にホワイトで星飛ばしてると、ウキウキしてくるよね」とみんなの賛同を求めるのですが、理解してもらえたためしがありません(笑)。

ちょっとホワイトの濃度が濃すぎて、星が楕円になってるな……。いまさらチェック。時間がね。

さてこの巻では、ストーリーの振幅と周期の話を。今ちょうど、自分の身にも降りかかってる問題なもので。

ストーリーの振れ幅大きいと、読者もびっくりするし予測もつきづらくなって人気出易いんですが。だからと言って、でかくすりゃいいってもんじゃなくて。

読者の予測を裏切るびっくり展開ってことは、逆に言えばついてこれないって事でもあるわけですよ。あんまりやってると、振り回されるのに疲れてきちゃう。そうすると、もうどうでもいいかなー、という気分に。

いいシーンと暗いシーンを交互させるのもそうだし、ギャグとシリアス混ぜるのもそうだし。リスクを取る描き方なのです。ナベ先生は、そんなリスク取りまくりな描き方をする人なのですが。当然リスク管理も考えないと、大失敗になってしまう。

そこで問題になってくるのが周期。ドーンと予想を裏切る急展開をした後、すぐにさらに切り返すと、読者が脱落していく。例えばこの巻の冒頭第72楽章で。

辛い話から入って、だんだんいい雰囲気にしていって、トロンとサイザー和解か? という所まで持っていく。で、どんでん返し、ヴォーカル登場スコア壊滅。フルートに花をくれた女の子まで死んじゃっていて。

こういうことをするのに、前述の通り、45ページが必要だったのです。例えばヴォーカル登場は唐突ですが、その後みっちり惨状を説明して、読者に印象付けている。一度引き離された読者が、追いつくための間なのです。

もしこの周期を短くして、どんでん返しの連続、という描き方をすると、気持ち掘り下げて描くことは不可能になる。読者の気持ちが追いつかない。感情移入させて最後感動、という路線じゃなくて、刺激的な展開で引っ張る描き方に。どっちがいいかは、もう好みですね。

ナベ先生のギャグが一つのネタでしつこく引っ張るのも、シリアスと混ぜてるから、という側面があります。シリアスの中に一コマだけギャグを入れると、見てる方としては、これ笑っていいのかな? と戸惑ってしまう。ある程度の長さがあれば、そこは明らかにギャグだと分かる。

どれぐらいの周期がいいのかは、もう作家固有のものでしょう。その人が何をどう描くかによって決まる。面白い漫画はそのリズムが取れてる。同じ作家でもリズムに乗り損ねると、失敗する。

編集さんのちょっとした一言で、リズム狂わしたりもするんですよね。そこだけ妙にテンポ悪くなって、お話ノッキング起こしたり。漫画は難しいです。

さて次回は。奴が来ます。

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