第三の男
久々の企画物。漫画で交遊録第9回。ぷにぷにボンバー。(きのした順市。2001/1/15発行。富士美出版) 最初にお断り。
はっきり言ってエロです!!
はっきり言わなくても18禁(笑)。何でいきなり? と思う方もいるでしょう。女性の方もいらしてますし。いろいろ考えたんですが。
ほら、今度新連載じゃないですか。そうすると、お子様の来訪が予想されるわけですよ。じゃあ、今のうちに載せとかないと、18禁だし。だったらサイドバーに出したらまずいじゃん! でも順だけ仲間外れじゃ可哀想だし……。うあー!
なんか、考えすぎて訳分かんなくなってきたので、思い切って。それでは、行きます。
きのした君は第三の男です。ナベ先生の仕事場で。まずナベ先生で、次溝渕さん。一人前の漫画家になった順番。ちなみに僕は一番弟子なのに五番目です(笑)。
順君はガンガンからの紹介でやって来た新人でした。面白エピソードがたくさんあるけど、それは割愛(笑)。
で何年かたった、ある日のこと。凄い神妙な顔して、漫画を見てくれ、と。で、読んでみたら、今まで描いてたやつとは打って変わって、堂々とエロ漫画。神妙な顔してたのは、首になる覚悟だったようで。何でそこまで思いつめてたかというと。
当時オイラは活火山でした。ナベ先生も脱線しまくりだけど、「少年漫画とはー!」という感じで、ついでに溝渕さんも真面目で熱血だから。仕事場の上3人がそんな状態だから、「エロ漫画なんて!」と怒られると思ったらしい。でもそれは誤解で。
漫画には、面白いかつまらないかしかないのです。漫画に貴賎なし。立派なテーマを扱ってる漫画のほうが偉いなんて、そんなことない。
むしろ、偉そうなテーマを扱ってる動機が、俺偉いだろ!? と自分をでかく見せたいだけじゃねーのかよ! と腹立つ場合があるほどで。漫画に対して真っ直ぐ真剣か、が問題。
その点、きのした君の漫画は清々しいぐらいエロ漫画でした。むしろ立派だよ! とみんなで誉めて。無駄な飾りが何もない。描くべき事にただ真っ直ぐ。自分に素直だから余計な物がそぎ落とされて、研ぎ澄まされた感じ。
実はナベ先生にもあったそうです、似た体験。下積み時代のナベ先生、こういう漫画が描きたい! という強い憧れがあって。周囲はギャグ描きなよ、と勧めていたらしいのですが、熱血漫画なんじゃあー! と。
でもその固定観念を捨てて、くだらなくていいやと軽い気持ちで描いたら、大賞に。それがハーメル。しかも自分に素直になったら、ギャグと熱血シリアス同居させてもいいじゃん、ということになって。回りの評価とか常識なんか気にせず、描きたいように描きなさい、という教え。
開き直ったきのした君、その後の急成長には目を見張るものがありました。で、あっという間に一人立ち。覚悟を決めた人間の強さです。向こうの業界にも、いろいろと「業界内コンセンサス」とでも言うべき物があるようですが、彼は揺らぎません。立派です。
「ぷにぷにボンバー」はそんなきのした先生の初単行本。タイトルの付け方も順らしくて素敵です。その後も順調に活躍中。
ただね……。ここまで読んじゃった少年がいたら言っとくけど、漫画家としては立派だけど、あのお兄ちゃん変態だから、真似しちゃ駄目だよ(笑)?
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