竹宮惠子のマンガ教室
サイドバーに「お薦め」コーナー新設しました。
本を直接広告するアフィリエイトってあるんですよね。せっかくだからやってみるかと思って、何にしようかなと考えていたところ。こいつがまだ手に入ることを発見。
オイラのバイブル。「竹宮惠子のマンガ教室」竹宮惠子著、筑摩書房。竹宮惠子先生は「風と木の詩」「地球へ…」で有名な先生です。「風と木の詩」はJUNE、今で言うところのBOYS LOVEの代表作。「地球へ…」は超能力を扱ったSF。当然後者が好きなんですが(笑)。
この間、いい本だよねと仲間内で話題になったのでご紹介。もしかしたらここを覗いて下さってる方の中にも、漫画家志望の人がいるかもしれない。そんな人にぜひお薦め。
漫画がこれだけ盛んだと、漫画を描くためのノウハウ本というのも結構あります。買ってみたりするのですが、ちょっと気になることが。
ノウハウは大切なんだけど、それで安心しちゃう人というのがいて。例えば画面構成のセオリーみたいなものはあるんだけど、そのミスを鬼の首取ったように指摘してご満悦、という人がいたりする。
でも漫画なんて面白いかどうかだけが問題で、他の事はそれを達成するための手段に過ぎない。今のセオリーがずっと正解というわけでもない。手塚先生が初めてストーリー漫画という形式を作ったときには、先輩漫画家から「こんなのは漫画じゃないよ」と釘刺されたらしいし。
だけど。現代日本の教育は、望まれる答えを出す子供が優等生というシステムなので、みんなその考え方が染み付いている。どこかに書かれた答えを欲しがる。でも漫画にとってはその考え方はマイナスだ。普遍的な答えなんかない。その人独自の解決方法が必要なんだから。
で、この本です。他の本だとそのものずばりの「正解」が解説されている事が多いですが、この本はむしろ、それにいたる考え方、注意点、心構えなどにページが割かれています。これの方が有意義です。それを踏まえて、じゃあ自分はどうする? と考えられる。
例えば。
絵を描くということはただ単に手先を操ることではないんです。やっぱりそこに思いの丈を塗り込めるというようなものなんですよ。それが入っているか入っていないかで絵は変わる。(中略)まったく同じ線でも、そこにエネルギーを込めてあるか込めてないかで差が出る。それを知ってなきゃいけないんです、描く人は。『才能とは何でしょう』といったら、そういうことだと思うんです。
…燃えてきませんか?
こんな言葉があるそうですが。
並の教師はただ喋る。
良い教師は説明する。
優れた教師はやってみせる。
偉大な教師は心に火をつける。
ウィリアム・アーサー・ウォード
この本はまさに「偉大な教師」です。
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コメント
こんばんは。
またまた素晴らしいお話ですね。
>現代日本の教育は、望まれる答えを出す子供が優等生という…
今私は、優等生君のお話を考えてるのでまたもやはっとしました。
連載のお仕事大変かと思いますが、どうかお体に気をつけて頑張って下さい。
それからお願いがあります。
リンクはらせてもらってよろしいでしょうか?
宜しくおねがいします。お邪魔しました~。
投稿: エメ | 2005/02/06 03:41