ハーメルンのバイオリン弾き on TV
ハーメル回顧録番外編の3。前回まではカテゴリー、ハーメル回顧録からどうぞ。
とうとう来ちまったですよ、ハーメルのTVアニメ。1996年10月から放送。実はどうしようかずっと悩んでたんですが。
漫画とさっぱり別物だけど、あれはあれでいいと言う人もいるし、かと言って全然触れないのも明らかに不自然だし。でもねえ。漫画家サイドからはあれ、かばい様がないんですよね。
大失敗。
て言うか、ガンガンのアニメで打ち切られたの、ハーメルだけじゃないの? 少なくともあの時点では初打ち切り。
前の年にエヴァがあって、心の闇の部分を描くのがトレンド、みたいな雰囲気だったんですかねー。オルゴール編がそんな感じだったから、誤解されたかもしれない。でも前述の通り、ナベ先生は人間賛歌万歳な人で、あれもそのために描かれた話だから。
根っこの部分をいじられて、さらに結果も出ないんじゃ、かばい様がないですよ。
なんだかんだ言って地上波の宣伝力はすごいから、パプワ君にしろグルグルにしろ、アニメ化をきっかけにヒット作からメガヒット作へとグレードアップしたのですが、ハーメルはさっぱり。あれがもちっとまともだったら、単行本ももっと出てて、今の「37巻だけ買えません!」みたいなこともなかったかもね。
ささ、暗い話はこれぐらいにして、面白裏話を。
その1。だまし討ちだったんですよね、あれ。それが証拠に、スポンサーに食品メーカーがいて、そこが作った関連商品のおまけに。丸太抱えたフルートの人形が!
多分漫画見せられて、こんなの作りますって聞いてたんでしょうね。サイザー助けに行くとこですよね。フルート丸太で大暴れ。そんなシーンアニメにゃ全然ないし。とんだ赤っ恥(笑)。そりゃスポンサー撤退するわなー。「アニメの現場なんて、そんなもんだよ」と昔アニメーターの某先生が、若かった僕を諭してくれました。
その2。最初の主題歌は「Skirt」という新人アイドルユニットが歌ってたのですが。作詞作曲高見沢俊彦。…アルフィーの!
デモテープ仕事場に送られてきたんですが、歌ってるの本人なんですよ。幻のアルフィーが歌う主題歌、「MAGICAL:LABYRINTH//」。サビの所が「ラ、ラ、ラ、マジカル・ラビリーンス!」という、男が歌うにゃ勇気のいる歌詞なのに、なぜかかっこよく聞こえるから不思議です。
ラスト、その3。ナレーションの声を当てていたのは麦人さん。ピカード艦長!! 僕の影響でスタートレックにはまったナベ先生。むしろ僕を通り越してネクストジェネレーションLD全話を買い求める熱中振り。本人を前にして大感激。
ところが宴席で酔っ払った麦人さん、くだらない与太話をするんだけど、当然声はピカード艦長のまま。ああっ、あの知性溢れるピカード艦長がっ! とナベ先生の嘆き。
嘆いたナベ先生、どんな話だったかを僕に話して、一緒にがっかりしようよーと迫ってきましたが、断固拒否しました。…いや、結局無理矢理聞かされたんですけどね(笑)。オイラのピカード艦長がー!
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コメント
時々来ては回顧録覗いてます。未だにファンやってますので、中々面白いです。
>あれがもちっとまともだったら、単行本ももっと出てて、今の「37巻だけ買えません!」みたいなこともなかったかもね。
うーん、これはちょっと違うんじゃ…物語後半で急にダラダラしだして、売りのひとつだったバイオリンも弾かなくなってしまって、明らかに評価が下がったのは事実だと思います。前半と後半で全く別の漫画と評価している人もいますし。
なにはともあれ頑張ってください。
投稿: 通りすがり | 2005/03/05 16:41
ちょっと言葉足らずでしたね。これは営業戦略の話です。アニメ化は知名度アップで初版大増刷のチャンスなんですが、あまりに原作と乖離していた&打ち切りで、漫画に対して還元がなかったのです。
編集部と営業は別ですから、数字の裏づけがないと営業は増刷に踏み切れない。もしあの時点で初版部数が増えていれば、その後下がったとしても古書流通量自体ももっと多かったであろう、というビジネスのお話です。
投稿: ひろし | 2005/03/05 22:33