栄養補給
故石ノ森先生は、寝る前に本を一冊読んだり、映画を一本見たりするのが日課だったそうな。寝る時間を削って。イヤダー!
何の話かと言いますと、漫画家として、勉強しないと駄目だよなあ、という話。でも寝る時間を削って、勉強するのはちょっと。ほら、ちゃんと寝ないと、頭の機能が落ちてきちゃうし。ナポレオンの睡眠3時間も、昼寝は別だったらしいし。……いえ、眠いのが嫌なだけなんです。
実際の話、物書きだから、勉強は大切です。勉強というか栄養補給。描くためのネタや技術的な参考のためでもあるし、インスピレーションやモチベーションを得るためでもあります。基本的には好きでやってるんだから、ほっといても何かしらは見聞きするんですが。
それを自分の勉強のため、と考え始めるとちょっと違ってくる。自分には何が必要なのか。弱点を補うため、長所を伸ばすため。ただ漫然と見聞きしているわけには行かなくなってくる。
例えば最近思うことは。漫画、アニメ、映画、ゲーム。この辺が、漫画家が栄養補給をする元だと思うのですが。ほんとにそれだけでいいのかな、とか。
大体漫画好きの人が見てそうなものですよね。とすると、みんな見ているなら、武器にならないということでもあって。同じ物から影響受けてばかりじゃ、個性のない似通った作家になってしまう。そうなるとクオリティーの勝負になってきて、センスがあって、技術力の高い人だけが生き残ることに。
その方面の才能にはとんと自信がないので、それじゃまずいよな、と。描く物の内容で勝負できるように持ち込まないと、生き残れない。人と違うとこから持ってくる、スパイスが必要だ。
それが今回はサッカーだったわけで。漫画描きは文系の人が多くて、体育会系の人は少ない。やってました、というのは大きなアピールポイントに。さらに去年からは老体に鞭打ってフットサルもやってみたり。基本的には好きだからなんだけど、こういう自分の特長を生かしていかないと、と思うのです。
サッカーというジャンルを選ぶことだけじゃなくて、描き方にしろ絵にしろ、自分の好きなもの、興味あるもの、人と違う部分。体験談とかそういったものを上手く生かして行きたいなと。
実際TV画面で見ているだけの人と、体験談がある人とでは描き方違ってきます。例えば「グラップラー刃牙」の板垣先生は、自身もボクシングをやってらしたそうですが、それがあの、選手が対峙しているときにその間の空間がぐにゃりと潰れていく、という表現に繋がっているんだと思います。
試合になって向かい合った時の緊張感、間合いを詰めた時の濃密な空気感。体感しているから、ああやって描く事を思いついたのでしょう。他にも随所に、ああやってた人だな、と感じる部分があります。
誰かの描いた漫画を見て、誰かの作ったアニメを見て、漫画を描くことがないように。下手でもいいから、人と違う、オンリーワンになれるように。
そう思いながら、今週も仕事抜け出してフットサルの練習しに行ったわけですよ。栄養補給ですよ! けして仕事から逃げたかったんじゃないんですよ?(←ちょっと言い訳)
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