ハーメルンのバイオリン弾き 11
ハーメル回顧録の11。前回まではカテゴリー、ハーメル回顧録からどうぞ。
悲しき運命を背負ったサイザー、瀕死の重症。まさに事切れんとした時、フルートの中でスフォルツェンド王家の血が目覚め、サイザーを救う。
目次見て思い出したですよ。この巻、恐怖の大増100ページの巻だ。第45楽章が、前後編に分かれて100ページある。辛かったなー。描いても描いても終わらない。完成した原稿の束の、分厚かったこと!
人気が出て読者サービスはいいですが、死んでしまうですよ、ほんと。
ただ、転んでもただでは起きません。前後編をうまく使ってる。前編でサイザーの過去総ざらい。シリアスモード全開で。そして後編、始まってます。サイザー、ギャグキャラへの道。
まずは小手調べ、サイザーをネタに周りがボケるパターン。そしてその次の回では、とうとうサイザーがボケに回る。世間知らずを利用され、コスプレ三昧。しかも、ワルキューレ達が、初めてセリフ付きだと思ったら、かしましいこと。これでサイザーも、立派なパーティーの一員に(笑)。
そして、サイザーの加入に押し出される形で、コルネット退場。ここからが凄いんですけどね(笑)。
さて、真面目な話。シリアスモードの前編で、サイザーが「こんな私が……許されるわけがない……」と言うセリフがあるのですが。仕事場でまさにそれが論点に。
いくら騙されてたとしても、あまりに悪事を働きすぎている。どう罪を償うのか。このまますんなり、なかった事には出来ないはずだ。仲間になったとしてもサイザーは最後、死ぬべきじゃないのか。
すいません、僕は死ぬ派でした。都合よすぎるような気がして、命であがなうテンションじゃないとおかしい、と思ったのです。
この辺、どこまでやるかは難しい。あんまり突っ込みすぎると、自分で首を絞めることになる。理屈ばっかりで話が動かなくなってしまう。でも、あまりに適当だと、御都合主義の謗りを免れない。
結局サイザーは死にませんでしたが、オカリナ、ブリュンヒルデが身代わりに。本人がその苦しみを背負う形で、贖罪ということに。単純に命であがなうよりも、むしろ苦しい選択です。
それに、最後まで読んだら、これでよかったんだと思います。これでもかというハッピーエンドですが、もし誰かが欠けてたら、あの読後感はなかった。これだけ長い漫画に最後まで付き合ってたら、力技でもいいから、大団円が見たいでしょうし。
長い連載の中で、いくつか分岐点がありましたが、ここはその一つ。間違ったほうに足を突っ込まなくて、よかったと思います。
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