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2004/12/09

ハーメルンのバイオリン弾き 7

ハーメル回顧録の7。前回まではカテゴリー、ハーメル回顧録でどうぞ。

6巻7巻と、スフォルツェンド攻防戦盛り上がってます。ここで人気がブレイクしたのは前述のとおり。今回はその要因となったであろう、「引き」の技術について。

実は最近気になっているのですが。最近の漫画は「引き」が弱くなった。「引き」というのは漫画のストーリー構成で使う用語で、連載漫画で次回に話を引っ張るテクニックのこと。特に黄金期の週刊ジャンプで多用され、正直こいつだけで人気を保たせていた漫画もあるぐらい。(ドラゴンボ…いやいや、そんな。ねえ)

やりすぎちゃうと、後でどうにもならなくなって破綻をきたす「引き」のテクニックですが、うまく使えばほんとに盛り上がる。

漫画の絵のテクニックについてはいろいろ語られることが多いのですが、ストーリー展開のそれについてはあまり聞かない。そこで、ちょっと解説してみようかな、と。

6巻7巻は、実はずっと同じ構成でストーリーが続いてます。最初ちょっと優勢、それが逆転されピンチになり、各回のラスト付近で盛り返すのか? となったところで次回へ続く。読者がよーしここからだー、と盛り上がったとこで次に回しちゃう。おいしいところは次回へ、気になるから次も見なくちゃ、という作戦。具体的に言うと。

ドラムの前に立ちふさがるクラーリィ、「スフォルツェンドはこの俺が守る!!」で次回へ。

戦ったはいいが歯が立たず、ドラムにはやはり勝てないのか、となったところで実はそれは作戦。「今…地獄に送ってやるぜ! バケモノ!!」で次。

封印成功かと思いきや、ドラムには通じず、ぼろぼろにされるクラーリィ。こうなったら自己犠牲呪文で、となったところに「愛の勇者ライエル参上!!」で次へ。

「5つの大きな希望」がやってきて、形勢逆転、こりゃいけるとなった時、本部をギータが急襲。ホルン様大ピンチ。しかし、そこで弱虫トロンが勇気を出して立ち上がる。「余はスフォルツェンド守護国ダル・セーニョの王子! トロン・ボーンだ!!」ここで7巻に続く。

立ち上がったはいいけど、やっぱりギータには勝てない。トロンはぼろぼろ、ホルン様とフルートも襲われる。フルートをかばうホルン様に、とうとう言えなかった一言が。「お母さん!!」フルートの悲痛な叫び、その声に応えるかのように、とうとう主人公ハーメル参上。「貴様らにふさわしい葬送曲を弾いてやる!」

ハーメルの活躍によりギータを退ける。残るはドラムのみ。「ゆくぜ。戦いはまだ終わっていない」「ああっ!!」「ゆくぜ! フルート!!」「はいっ」「ドラム退治だー!!」かっこよく飛び降りる三人。

ドラム倒せるかと思ったら、なんと完全体に変形。めちゃ強し。こうなったらみんなで力を合わせて。「ゆくぜぇ!! みんなあ」「おお!」それを遠くから見つめるサイザー、はたして。

ところが完全体ドラム予想以上に強い。このままでは作戦失敗か、という時。北の都からベース体(リュート)が加勢。(伏線ですね)最後はハーメルの一撃。謎の力が炸裂。これまた伏線を張りつつ、しかしスフォルツェンド攻防戦、決着。

長々と書いてきましたが、気が付いて頂けたでしょうか。必ずと言っていいほどラストのコマに決め台詞があり、ドンと決め絵で終わっている事に。これが「引き」です。これ以外にもいろいろな手がありますが、ラストにインパクトを持たせて次回へ繋ぐテクニックです。

ナベ先生はハチャメチャなギャグがあったり、勢い任せに見えたりしながら、こういう基本的な構成力がしっかりしているので、ハーメルをストーリー漫画として成立させることが出来たのですね。合間に「パンドラの便器」だの「巨大フルート」だの入ってくるので、分かりづらいですが(笑)。

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