ハーメルンのバイオリン弾き 2
ハーメル回顧録の2。前回はカテゴリー、ハーメル回顧録をどうぞ。
2巻になって新キャラ続々登場。まずは愛の勇者ライエル。ハーメルに負けず劣らずのお馬鹿な勇者です。さらには敵、魔界軍王たちも。ハーメルの素性も分かってきて、物語は広がりを見せています。
そして、物語の筋が見えてくるにつれ、ナベ先生の作風である、ギャグとシリアスのぎりぎりの融合というのも目立ってきます。人によっては駄目だと言うのでしょうが、好きな人にはそれがいいところ。渡辺道明独自の芸風です。
ギャグとシリアスをうまく両立させるのは難しい。ギャグがシリアスの足引っ張って、盛り上がらない作品になりがちです。ですがご存知のとおり「ハーメルンのバイオリン弾き」は、ただのギャグ漫画としてではなく、ストーリー漫画としてちゃんと評価されました。それを可能にしたのは何なのか。ナベ先生がよく語っていたことから拾ってみると。
まず、シリアスもギャグも両方本気でなければいけない。キャラがおバカな連中ばかりなのでギャグになってしまっているだけ。当人たちは大真面目なのです。自分で醒めた突っ込みいれてるギャグをやると、シリアスシーンのテンションを下げてしまう。あくまで本気。
これを一番体現しているのがライエルです。ハーメルの語る正義の勇者は大嘘ですが(笑)、ライエルの愛の勇者は本気です。最初に出てきたときにはそのセリフはギャグに聞こえていますが、最終巻、サイザーをかばってケストラーに立ち向かったときのセリフはシリアスもシリアス、大マジです。
さらに挙げれば、描いてる本人も本気だということでしょうか。これをやったら嘘になるということはしない。クライマックスのシリアスシーンに対しても本気だし、途中のギャグに対しても本気です。ギャグが息抜きじゃないのです。だから中途半端はしない。とことんやる。
ネームの技術的なことで言えば、実はギャグからシリアスに移るときに一拍おいてあったり、逆にギャグに移ったときには何段オチかになっていたりで、シリアスとギャグのパートが判別つくようになっている。後はそれにフェイントが入ったり入らなかったり。プロのノウハウ。
まあそれでも、駄目な人は駄目なんですけどね。ぎりぎりの線を狙っているので、その辺ハイリスクな綱渡りですが、その結果根強いファンの方が結構いて、毎日のようにハーメルという検索でこのブログを訪れる人がいるわけで。
リスクをとらなきゃ個性は生まれないし、無個性なままでは埋もれてしまう。稀有な個性を持った師匠のそばにいて、つくづく思うのです。
あとこの巻で特筆すべきエピソードは、フルートの初着ぐるみ! 史上初着ぐるみヒロイン、しかも猿! です。まさかこのネタ引っ張って、カニやらジャンボジェットやらが出てくるなんて。多分誰にも想像つかなかったんじゃないかな(笑)。
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