アイシールド21
月曜日です。週刊少年ジャンプ発売の日です。好きなんですよ、アイシールド21。
スポーツ漫画は少年誌の定番なので、どの雑誌にも何本か載ってますが、その中では一番のお気に入り。スポーツに対する愛情にあふれたすばらしい漫画だと思います。スポーツ漫画好きで読んだことない方はぜひ。
スポーツ漫画に限らずどんな漫画でもそうだと思うのですが、扱っているその題材に対してどこまで突っ込んでいけるかで、出来栄え変わってくると思うんですよ。アクションものならどこまでアクションにこだわれるか、人情ものならどこまで人情にこだわれるか。萌え漫画ならどこまで萌えられるか(笑)。
スポーツ漫画なら、どこまで扱っているその競技の良さをアピールできるかということと、スポーツ自体の持つ競技性、すなわち勝ち負けにどこまでこだわれるかという部分。で、これが意外に当たり前のようで出来てない。
スポーツ漫画って定番なので、こんな感じで企画がたっちゃうこと多いんですよ。
編集さん「なんか、スポーツ漫画欲しいよねえ。野球か、サッカー。あとはバスケかなあ。描ける?」
新人くん「描けます!」(うわー、よく知らねーのに。でも仕事欲しいしな。←心の声)
読む読者のほうは「お、サッカー漫画だ。どれどれ」という風に、そのスポーツ自体にも興味があるのに、描いてるほうはいまいちなかったりする。そうなると読者の要求するレベルにたどり着けないものが出来ちゃう。
水島新司先生は草野球に熱中していることで有名ですし、(もはや草野球と呼ぶべきか。プロより試合数多いらしいですよ)森川ジョージ先生はボクシングジムをやってるし、井上雄彦先生も元々バスケ部でバスケ大好きなわけで。やっぱりそのスポーツにほれ込んでいる部分が、ちゃんと漫画の面白さにつながっているんだと思います。
あと少年誌は最近女性の作家さんが描いてることが多くて、どっかお母さんの視点というか、キャラクターに優しい。勝負の厳しさが足りないものが出来ちゃうこともありますね。もちろんこれは作家さんの力量しだいで、塀内夏子先生みたいに勝負をびしっと描ける人もいますが。
スポーツってのは基本的に勝ち負け決めるもので、時にはものすごく残酷です。だからこそドラマが生まれ、みんな感動するんだと思います。だからそこがゆるくちゃいけない。とことんこだわって描いて欲しい。
その点アイシールド21はすばらしい。そういうとこから作者が逃げてない。読んでてすごくしびれたシーンに、王城との試合。もう試合の趨勢は決していて、QB蛭魔は「勝てない勝負はしない主義」と言って帰ってしまおうとする。でも主人公セナの「もう少しで相手が抜けそうだ」という一言で、その勝負を助けるために試合に戻る。チームの勝負は終わっていても、個人の勝負は終わっていない。そんなとこまで描いてることにぐっと来ました。
もちろんそこだけじゃなくて、漫画自体として面白いんですが、勝負の最後の胆のとこまで描いてあるアイシールド21。注目のスポーツ漫画です。
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